胞子の精神

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地域調査で山間の田舎に訪れた私を現地の人達は手厚くもてなしてくれた。
リゾートホテル並みの待遇。調査の仕事は私がやるまでもなく、現地の人達の手で終わっていた。
おかげで私はと言えばこの田舎で最近の忙しさを忘れ、休暇を楽しむ事が出来た。
何でこんなに優しくしてくれるのだろう?
「何でって、ここらじゃ若い人はいないからねぇ…ジジババは若い人をとにかく可愛がりたいんだよ。それに貴方はもう私達の家族の一員よ」
田舎は一つの大家族という言葉を聞いた事がある。そうか。私もこの田舎で数日過ごす事で大家族の一員になっていたんだ。
「その証拠に貴方の頭にも家族の証のキノコ、生えているわよ」
何それ?鏡を確認した。本当に私の頭に茸が生えている…
「そのキノコね、生えると誰かに奉仕したくてたまらなくなるの。私達はそうやって、人に奉仕し、胞子を植え付ける。貴方明日、都会に帰るのよね。明日から胞子活動、よろしくね」
ファンタジー
公開:20/04/13 19:20

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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