ONE TEAM家族

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ある日夫が帰ってこなかった。
この厳しい世界では、いつ何が起きても不思議はない。夫に何かあったら、息子を守るのは私しかいないのだ。みんな自分の家族を守るのに精一杯で、よその面倒を見る余裕など一片たりともない。
一日…二日…時間だけが虚しく過ぎていく。
三日めの朝、誰かが叫んだ。
「あそこ!」
よろめきながら近づいてくる姿——彼だ!
私は走った。我知らず声が迸り出る。私に気づいた彼も必死に駆け寄ってくる。
私たちは固く抱き合った。
「すまない…遅くなって…途中で危ない目に…」
「いいのよ。無事で良かった」
「でも食べ物が何も…これじゃ生きてけない…」
消え入りそうな声で呟く彼を私はフリッパーで抱き締めた。
「大丈夫よ。今度は私が行くわ」
私はペタペタと浜辺を歩き、氷の浮いた海に飛び込むとたちまち弾丸のように泳ぎ出した。
必ず家族を守ってみせる。
私は目の前の魚の群れめがけて突っ込んでいった。
その他
公開:20/04/12 16:28
◯◯家族 隕石家族 コンテスト #4 ペンギンのオスとメスは 交代で狩りと育児をします

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnote・TALES・公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません

【活動歴】
・第2回 日本おいしい小説大賞 最終候補(小学館)
・第31回やまなし文学賞 佳作『雨を知るもの』
・創作大賞2025 入選 『栗と牡丹』
・SSアンソロジー『ベリショーズ』寄稿
・ホラーアンソロジー『ウタ・カタ』寄稿

【刊行】
・第31回やまなし文学賞受賞作品集(山梨日日新聞社)
・栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂(朝日文庫)
 

【note】
 https://note.com/akishiba_note

【Twitter】
 https://twitter.com/CNecozo

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