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俺と相棒は過去を調査する極秘任務のため、タイムマシンでこの世界へやってきた。

人工知能により統治された社会制度
自動運転で事故が一掃された交通システム
機械化による単純労働からの解放

洗練された我々の世界と比べれば、ここはカオスそのものだった。

特に秋葉原では度肝を抜かれた。

街のあちらこちらでかわいらしい少女が描かれたポスターや抱き枕に

「俺の嫁」

と書かれていた。

「この世界ではアニメのキャラクターとでも結婚できるのか」

我々の世界では完全管理の下、人工授精と人工子宮を使って子どもが生産されており、
かなり以前に結婚制度は廃止されていたのだ。


調査も終わり元の世界へ帰る準備をしていると、相棒が

「すまん、俺は残る。ここでなら結婚できるんだよ、ここは俺が求めていた世界だ」

と言い出し、結局一人で帰還した。

そういや奴、古典もののアニオタだったよな…
SF
公開:20/04/12 08:28
更新:20/04/13 15:25
SF

新月ポン(Araduki Pon)( 奈良 )

SFが好きなのでやはり書いてしまいます。
アイロニカルでブラックなものが多いです。
好きな作家は伊藤計劃と三島由紀夫。あとは海外SF
 

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