『おまもり』 目印

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「今日はなんかいい日♪」
弾んだ顔で玄関をくぐる少女。頭上には奇妙なお札がある。
「今日は散々だった……はあ」
しょげた顔で帰宅した少女に祖母が言った。
「このとこは童さんが遊びにいっとるけんなあ」
「またそれ?昔から家に座敷童がいるって言うけど今時そんな迷信」
「いや、ほんまなんよ。ただ家の童さんは旅好きの風来坊でなあ、たまにふいっと遊びさ出てしばらく帰ってこんのよ。その間はちょおっとだけ良くないことがあるんよ」
「もう、そんな話高校生にしないでよ。まだ神社のお守りの方が信じられるよ」
その時、玄関の枠がガタガタッと鳴った。
祖母が出ると、お札が足元に落ちていた。
「帰って来たんやねえ。今回も楽しかったかい」
そういって祖母は帰りの目印というお守り札を貼り直した。
「さあ、またいいことあるべ。メシにすべ」
「……もう、しょうがないなあ、おばあちゃんは」
 私達にはもう、笑顔が戻っていた。
その他
公開:20/04/12 20:21

とーしろさん

はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。

沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。

ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。

興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^

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