天瓶

14
15

皆さん、入学おめでとうございます。
この硝子製の置物は「天瓶」と呼びます。
この天瓶は、我が大学の校章にも描かれていますが、弁護士バッジの真ん中にも似た形の天秤が描かれており、天秤は公正と平等を表しています。それで我が大学には、法学部があります。また、天秤で硬貨を量ることから経済学部があります。
この天瓶に、星空に見られる天の川や神話に登場する天国が映し出されることがあります。それで我が大学には、理学部や神学部があります。
この天瓶は、もともと福澤諭吉が幕末に渡米した際に手に入れ、日本へ持ち帰ったとされています。その後、諭吉は、明治初期に著書『学問のすゝめ』で「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と説きます。そして、諭吉と親交のあった我が大学の創設者が天瓶を譲り受けたとされています。それで我が大学には、文学部があります。
皆さん、入学される学部を天命と思って日々勉学に励んでください。
青春
公開:20/04/12 07:01
更新:20/04/12 07:08
入学式 天秤 法学部 経済学部 天の川 天国 理学部 神学部 福澤諭吉 文学部

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容