あの時の亀に恩返しで殺されそうになる
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「あの時の亀です。その際はお世話になりました」
突然、少年がヤスオの元に尋ねてきた。亀、と言われて、そういえば以前ひっくり返っていたところを川に戻したことがあったな、と思い出した。
「もしかして、あの時の……」
「はい。今日は恩返しに来ました。死んでください」
少年はナイフをヤスオに向けた。
「はぁ? ふざけんなよ。自分が亀とか言うかと思ったら死んでください? アホか」
ヤスオは思いっきりドアを閉めた。
数か月後、世界は恐ろしい感染症に覆われた。1か月以上咳や下痢、嘔吐が続き、立てないほどの痛みが体を襲う。感染力が高く、ワクチンはおろか痛み止めすら効果がないという。ヤスオも感染し、延々と続く痛みに苦しめられていた。
亀だと名乗った少年は、そんな世界の状況を見ながらつぶやいた。
「命の恩人のあなただけは、こんな苦しみを味わってほしくなかったのに」
突然、少年がヤスオの元に尋ねてきた。亀、と言われて、そういえば以前ひっくり返っていたところを川に戻したことがあったな、と思い出した。
「もしかして、あの時の……」
「はい。今日は恩返しに来ました。死んでください」
少年はナイフをヤスオに向けた。
「はぁ? ふざけんなよ。自分が亀とか言うかと思ったら死んでください? アホか」
ヤスオは思いっきりドアを閉めた。
数か月後、世界は恐ろしい感染症に覆われた。1か月以上咳や下痢、嘔吐が続き、立てないほどの痛みが体を襲う。感染力が高く、ワクチンはおろか痛み止めすら効果がないという。ヤスオも感染し、延々と続く痛みに苦しめられていた。
亀だと名乗った少年は、そんな世界の状況を見ながらつぶやいた。
「命の恩人のあなただけは、こんな苦しみを味わってほしくなかったのに」
ファンタジー
公開:20/04/09 21:42
短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。
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