告白の告白

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「彼、ちょっとオカシイよね」
綾さんが訝しげに言う。
「ケイさんのことですか?」
「うん」
「個性的で、独特の雰囲気ですよね」
「いや、頭オカシイよ」
綾さんが誰かを悪く言うのを初めて聞いた。
「何かあったんですか?」
「いや、その……彼に告白したの」
「え?」
「鶏肉が好き、って」
「え?ケイさんに!?」
「うん」
正直、ドン引きした。
「そ、そしたら?」
「ありがとうって」
「え、それで?」
「次の日『君のことばかり考えてる』って。それで『今ここで死ぬから食べて』って」
「ええぇ……」
「嬉しいけど、そういうの重いから食べたくない、って言ったの」
「ええぇ……」
「そしたら『食べられるまで死なないし、食べられるならすぐに死ぬ』って」
「そ、それは重いっすね」
「それで今、飼ってるんだけど」
「え?ケイさんを?」
「うん」
「部屋で鶏を?」
「うん。一緒に住んでる」

え、何だ、この話。
その他
公開:20/04/09 18:58

G.G. Rooster( 東京 )

じーじーるーすたー。

メールとかLINEとか、個人に対して文章でのやりとりが苦手なので、コメントを残すのも苦手です。なので☆だけ押してます。
コメントいただくのはめちゃくちゃ嬉しいんですが、返信も苦手なので諦めることがあります。

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