272. 先生の目的

歯が痛むので歯科に行った。
早速レントゲンを撮られたがやはり左奥歯が虫歯になっていると言う。
ズキズキ痛むので直ぐに治療に取りかかってもらった。
麻酔を打たれたが、削るのに多少時間がかかるので痛かったら右手を上げてくださいと言われた。
ギュ、ギュイイーン
嫌な音と共に振動が伝わってくる。
痛みを感じたのでゆっくりと左手を上げた。
「はい一旦止めますねー」
起こされてうがいをしていると、患者さんが次々とやってきて受付で申し訳なさそうに受診を断っている。
「左ではなく右手を上げてください」
そう言われ治療を続行され、また痛むのでゆっくりと右手を上げた。
すると今度は金の高級キャットフードが雪崩れるように届いた。
「やったにゃ！」
先生と助手は治療を中止すると、早速それを開封してボリボリと食べ始めた。

僕は両手を上げため息をつくと、他の歯科に行くことにした。
僕が招き猫って何でわかったんにゃ…