雲置紙
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的屋の親父は無愛想だった
私は注文を言い淀んだ
綿あめ屋なのに綿あめを作る機械がない
代わりにあるのは半紙一枚だけ
「一本、千円」
「ええっ、綿あめが?」
異様に高い
「買うんだろ?」
「は、はい、ドラえもんでお願いします」
千円を渡すと、親父は
「今出すから向こう行ってて」
と私を囲いの外に追い出した
外側から見るとやはり普通の綿あめ屋
親父は綿あめを寄越した
「大事なのは、綿あめ包んでる紙だ。
捨てんなよ」
神社の境内に座り、綿あめを食べ終わると紙を見た
「枕元に敷いて寝るべし」
翌朝、枕元の紙の上に綿あめができてた
今朝の夢に出てきたひよこそっくりな黄色
縁日を思いだして嬉しくなった
それから綿あめを毎晩作った
森のような綿あめができた
森林の香りが鼻から抜けた
「そうだ!」
子供の頃、あそこでこれを食べたんだった
私は注文を言い淀んだ
綿あめ屋なのに綿あめを作る機械がない
代わりにあるのは半紙一枚だけ
「一本、千円」
「ええっ、綿あめが?」
異様に高い
「買うんだろ?」
「は、はい、ドラえもんでお願いします」
千円を渡すと、親父は
「今出すから向こう行ってて」
と私を囲いの外に追い出した
外側から見るとやはり普通の綿あめ屋
親父は綿あめを寄越した
「大事なのは、綿あめ包んでる紙だ。
捨てんなよ」
神社の境内に座り、綿あめを食べ終わると紙を見た
「枕元に敷いて寝るべし」
翌朝、枕元の紙の上に綿あめができてた
今朝の夢に出てきたひよこそっくりな黄色
縁日を思いだして嬉しくなった
それから綿あめを毎晩作った
森のような綿あめができた
森林の香りが鼻から抜けた
「そうだ!」
子供の頃、あそこでこれを食べたんだった
ファンタジー
公開:20/05/25 13:27
モノ書き・ストーリーテラー。
朗読イベント「オトネリ会」主催。
noteは主にショートショートを、
ブログはいろいろ書いてます・
note
https://note.com/ebisutofukuroh
ブログ
https://ameblo.jp/ebisutofukuroh/
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