常識の危うさ

2
4

「本書のなかには、今日の観点からみると差別的表現ないし差別的表現ととられかねない個所があります。しかし、作者の意図は、決して差別を助長するものではないこと、また筆者がすでに故人であるという事情に鑑み、表現の削除、変更はあえて行いませんでした」


上記は、文庫本の冒頭にある注意書き。
でも、そんなことが書いてあるなんて気づかなかった。
「今日の観点」と、その作品が書かれた時代の価値観は違うだろう。
その注意書きを太宰治の文庫本で見たのだが、芥川龍之介の文庫本もめくってみたところ、同文の注意書きがあった。
出版社からご配慮頂いた注意書きだと思うが、それがないといけないことに寂しさがある。
私は読書好きで、むしろ「今日の観点」とは関係ない世界に行けるのが好き。
本の世界でいろいろ知ると、現実で分別がつく。
今もどこかで匿名による誹謗中傷が飛び交っているのなら、それをやめて、本を読もう。
その他
公開:20/05/25 13:03

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容