騒がしいアイス

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少年時代は正しくても、認められない。でも、我慢してたらヒーローが助けてくれた。
兄は良く、私の物を略奪した。
漫画雑誌、ゲーム、めんこ、キラシール、食後にとっていたプリンまで。
昭和のあの時代にはヒーローがいた。

「冷蔵庫、開けっ放しにしちゃあかんよ。」
パン屋のおばちゃんは兄の背中を軽く叩きながら、そう言った。
「お前がやったんだろ!!」
そう、兄は言った。
最低だな。略奪、窃盗、暴力、弱いものイジメの数々に濡れ衣も加わった。

さすが、おばちゃんは分かっていた。
私達の関係性。日常がどんなものであるのかを。
私の気持ちを代弁してくれた。
冷蔵庫から2本のホームランバーをとってくれた。
そして、当たりといってもう一本、私にだけくれた。
少年達が元気にはしゃぎ、年配者が叱る光景が昭和にはあった。

弱気者を強気者が助け、イジメを食い止めていた。
多くのヒーローが存在していた。
その他
公開:20/05/25 03:29

ポエマータカノ( 横浜 )

愛を言葉で伝える事が使命だと感じている。
42歳のおじさんです。
カラオケ、料理、笑わすこと、読書、哲学、物思いにふけること大好きです。

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