空と大地の間で
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「やめろー!やめてくれー!」
晩年の祖父は、よく魘されていた。
どんな悪夢か見当がつく。
戦争。
祖父は、広島で原爆を経験している。
当時、祖父は17歳。
江田島の海軍兵学校で、特殊潜航艇の訓練を受けていた。
昭和20年8月6日午前8時15分。
閃光と激震。
学校から15キロ程離れた広島市の空に「きのこ雲」が浮かんだ。
祖父はそれをスケッチしている。
数年前、それを見せられ、僕は「きのこ雲」に触れた。
僕はあの日と繋がった。
今日、祖父の納骨の日。
墓に骨を入れる前、
「じいちゃん、少しください」
と、僕は家族に頼んだ。
父は「いいよ」と言ってくれた。
僕は用意していた小瓶にじいちゃんの骨を入れた。
17歳だった祖父は救援活動をしに被爆地に入っている。
17歳の今の僕にはとてもじゃない。とてもじゃないが、
「この時代を精一杯に生きるよ。じいちゃん、見ててくれ。僕のそばで」
晩年の祖父は、よく魘されていた。
どんな悪夢か見当がつく。
戦争。
祖父は、広島で原爆を経験している。
当時、祖父は17歳。
江田島の海軍兵学校で、特殊潜航艇の訓練を受けていた。
昭和20年8月6日午前8時15分。
閃光と激震。
学校から15キロ程離れた広島市の空に「きのこ雲」が浮かんだ。
祖父はそれをスケッチしている。
数年前、それを見せられ、僕は「きのこ雲」に触れた。
僕はあの日と繋がった。
今日、祖父の納骨の日。
墓に骨を入れる前、
「じいちゃん、少しください」
と、僕は家族に頼んだ。
父は「いいよ」と言ってくれた。
僕は用意していた小瓶にじいちゃんの骨を入れた。
17歳だった祖父は救援活動をしに被爆地に入っている。
17歳の今の僕にはとてもじゃない。とてもじゃないが、
「この時代を精一杯に生きるよ。じいちゃん、見ててくれ。僕のそばで」
その他
公開:20/05/24 21:54
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