夫婦が再会した日

タカシとレイコは美男美女。おしどり夫婦と近所で評判だった。しかし、些細な口論がきっかけで、近頃は家庭内別居の状態だった。
タカシは仕事帰りにバーに通うようになった。以前はまっすぐ帰宅していたが、今はなるべく帰りたくない。また、何か道ならぬ恋に繋がる出会いがないかとの下心もあった。

ある日、タカシがバーのカウンターで飲んでいると、隣の席にとびきりの美女が現れた。レイコによく似ている。タカシが声をかけると、美女は色よい反応を見せた。
会話の感じもレイコそのもの。タカシはレイコと出会ったときのことを思い出した。いつもより酒が旨かった。

しばらくして、美女は先に帰った。連絡先の交換はしなかった。そんな必要がないことはお互いよく分かっていた。

その夜、タカシが帰宅するとレイコが笑顔で出迎えてくれた。タカシと同じくらいレイコも酒に酔っていた。
二人の頰が赤かったのは、それ以外の理由もあった。