ホラー映画監督の仕事

18
13

映画雑誌の記者がインタビューのために、呪いの家を舞台にしたホラー映画の撮影現場に来た。
「実はこの家で撮影を始めてから、身の回りで奇妙なことが起きるようになったんだ」
そう答える監督は腕にギブスを嵌めて青ざめていた。
「突然クレーンが倒れてきたり、重たい照明が天井から落ちてきたこともある。幸いまだ死人は出ていないが…」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、それに主演の泉君は悪夢にうなされている。ナイフで自分の首を刺す夢を繰り返し見ているそうだ」
「もしかして本物の呪いでしょうか?」
「わからない。でも君も帰るときは車のエンジンに異常がないか調べたほうがいい」
記者が胆を冷やして帰ると、監督はギブスを外して軽快に腕のストレッチをした。そして現場に到着したばかりの泉に声を掛けた。
「おはよう。今朝の目覚めはどうだい?」
「ええ、快眠でした。今日もお願いします!」
監督は嬉しそうにニッコリ笑った。
その他
公開:20/05/24 13:43
更新:20/05/24 13:45

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容