王の採点

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採用通知を受け取った。
私の仕事は国政の人材採用試験の採点係だ。
王国の政治史試験の答案用紙が運ばれてきて、解答と照らし合わせ採点し点数を記入する。
夕方答案用紙をまとめて上司に提出したら仕事はお終いだ。
そんな日々が半年続きある事に気付いた。貰った解答が全部間違っている。
これでは正しい答えを書いたら不合格だ。
上司に伝えたら数分どこかに電話して、一緒に来いと歩きだした。
見知らぬ廊下や階段を通り抜け、鉄のドアの前で立ち止まった。
小さくノックして入室する。部屋には国王がいた。
「君はこの解答が間違いだと言っているそうだね。」
「は、はい」
「国に必要なのは適度に扱いやすい人材だ。その意味でこの解答は正解なのだよ。
半年前、君の前任も同じ事を言ってきた。奴にテストさせたら0点だった。すぐに首を切ったよ。」
(文字通りにな)上司が耳打ちしてきた。
「さてどうだ、間違っているかな?」
その他
公開:20/05/24 12:14

市杜 七( 関西 )

文章を書く練習中です
よろしくお願いします

市杜 七(いちと しち)

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