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ドリーム・スクリーン社では、夢便という宅配サービスを開始した。
あらかじめ見たい夢のジャンルやモノクロ・カラー映像などの条件を指定して夢便を依頼すると、マイクロカプセルが送付先に届く。そのカプセルを寝る前に飲めば、好きな夢が見られるというものだ。
当初は、夢便によって快適な睡眠が得られ、不眠症の解消にもつながったことで、たちまち大好評となった。
だが、夢便を頻繁に利用する人たちが増えてくると、思わぬ弊害が生じるようになってきた。
徐々に現実と夢の境目がなくなっていき、いわゆる正夢、予知夢、虫の知らせといった第六感への刺激が強くなってきたのだ。そして最後には、夢遊病を患ってしまい、睡眠中に寝ながら活動を繰り返す人たちが続出した。
ドリーム・スクリーン社では善後策として、夢便の利用を週末の休日など一週間に一回と限定し、必要な場合には、夢の相談に乗るドリーム・カウンセラーを派遣することにした。
その他
公開:20/05/24 07:12
宅配 睡眠 不眠症 正夢 予知夢 虫の知らせ 第六感 夢遊病 カウンセラー

山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育ち、大学時代は京都(御所の近く)、大学院時代は湘南(海ではなく山側)で過ごす。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年06月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。

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