召使い

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「うにゃ〜ん」
「入る?」
眠たげな人間の布団に潜る。
簡単に落ちるものだ。すぐ寝息が聞こえる。
布団から出て伸びをし、壁の後ろに入り込む。
二本足で立ち、身の丈に合った扉を開ける。
「この服は線が消えかかってるな。捨て時か」
横の服を取り、着替える。
脱いだ服は袋に。新しい服には匂いをつけなければ。壁裏から出て、グルーミングをする。
「ちわ。クリーニングぶちでーす」
「ご苦労さん。いいタイミングだ。二着頼むよ」
「まいど! 今週の土曜日お届けとなります」
窓越しに来たぶちに袋と猫缶六個渡す。
それから短時間で部屋を荒らす。仕方ないな、と思わせる事が可愛げなんだそう。
実際は、晩酌しながら映画を見ている。

さて、人間を起こすか。そのために早く寝させたのだから。
手でゲシゲシやるが起きる気配がない。
やれやれ。
机の上にヒョイっと飛び乗る。トップロープから腹へダイブ。
メシくれよ、召使い。
ファンタジー
公開:20/05/23 23:33

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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