どうぞ 召し上がれ 第2話

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私は、サナギから孵ったばかりの、ナナホシテントウ。
葉っぱの先まで、登ると、つい空へ飛んでしまう。

おやつの時間。
最近見つけた<森の小さな駄菓子屋さん>へ直行。
「いらっしゃぁい」
駄菓子屋さんのミツバチばあさんは、とても穏やか。
私が、どれにしようか迷っていても、
ミツバチばあさんは、老眼鏡を少し下にずらして、見守ってくれる。
「これください」
私は、おまけのついたキャラメルを選んだ。
そして、お代に、背中のホシをひとつ渡した。

やがて、私の背中のホシの、最後の一つを使ってしまった。
「どうしたんだい」
悲しくて、泣いている私を、ミツバチばあさんは、店の裏にある庭へ連れて行った。
「この手水舎(ちょうずや)をのぞいてごらん」
見ると、昼間なのに<七寄せホシ>が映っている。
「七寄せホシ どうぞ 召し上がれ」
ファンタジー
公開:20/05/24 19:00
更新:20/05/24 17:11
テントウムシ 北斗七星

ひだまりスケッチ

2020年4月24日第1作(公開)が誕生しました。
超ショートショートが、今まで届かなかった世界に連れて行ってくれます。
 

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