悪戯ごろし
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誰もが特殊能力を持つ時代。男の力は「白色变化」。指先で触れれば、どんな物でも白色に変えられる。男は、道行く人の小物を真っ白に変える悪戯にハマっていた。突然の出来事に慌てふためく様を見たくて、男は今日も街に繰り出す。
小麦色に日焼けした、まさにギャルという風貌をしている女が歩いてくる。男は女が腕にかけるカバンに狙いを定めた。
素知らぬフリをしつつ、手を伸ばす。
「あっ」
手元が狂い、男の指は女の腕へと触れた。小麦色の肌がまたたく間に白色へと変化していく。女もすぐさま気がついたようで、白くなった肌を眺めている。
男は顔が青くなっていた。これはまずい。どうにか取り繕って、この場を逃れないとーー
女は手鏡を取り出し、自身の顔を見た。
「シミまで白くなってるし。超ウケる」
女はそのまま去っていった。呆然とその背を見送る男だけが、その場に取り残された。
ーー「泰然自若」。女の持つ特殊能力だった。
小麦色に日焼けした、まさにギャルという風貌をしている女が歩いてくる。男は女が腕にかけるカバンに狙いを定めた。
素知らぬフリをしつつ、手を伸ばす。
「あっ」
手元が狂い、男の指は女の腕へと触れた。小麦色の肌がまたたく間に白色へと変化していく。女もすぐさま気がついたようで、白くなった肌を眺めている。
男は顔が青くなっていた。これはまずい。どうにか取り繕って、この場を逃れないとーー
女は手鏡を取り出し、自身の顔を見た。
「シミまで白くなってるし。超ウケる」
女はそのまま去っていった。呆然とその背を見送る男だけが、その場に取り残された。
ーー「泰然自若」。女の持つ特殊能力だった。
ファンタジー
公開:20/05/22 22:52
物語創作に興味があります。
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