竹馬に乗ったワル

小学校時代に竹馬遊びが、流行り自分達で作った。
２本の竹に足場の横木を付け、足を乗せて歩く遊び道具だ。
初めて乗る時は、恐怖心も伴い自転車に乗るのと似た感じだ。
前に重心を傾け前方を見て姿勢を崩さず、バランスを取るのが秘訣だ。
小学生仲間と一斉にスタートして、速さを競うのも面白い。
そんな時、中学生のワルが異常に竹を長くして足場も上に取り付け、大股で闊歩出来る竹馬を作り得意になって、小学生の遊び場にも来て邪魔をした。
調子に乗り過ぎて、塀越しに柿を盗ったり面白半分に人の家の中を覗き込んだりした時、褌一丁で寝ているオッサンに見つかり、「お前、何してるんじゃ、馬鹿たれが」と怒鳴られ、びっくりした拍子にひっくり返り這這の体で逃げだした。その逃げ足の音がパカパカと聞こえ、良く見るとワルは本当の馬になり走り去った。その後反省し人間に戻り皆に謝り、今は小学生に混じり皆の面倒を見ながら元気に遊んでいる。