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植物学者をしている祖父が「良いものを見せてやろう」と言ってきたので私は人気のない山奥の田舎まで車を走らせた。
助手席には婚約者。ついでに彼を祖父母にも紹介しておこうと思って連れて来た。
「おお!お二人さん。この度は結婚おめでとう。今日は是非とも君らに見せたいものがあってな」
気の早い祖父に連れてこられたのは棒きれのようなものが立ち並ぶ畑。あれ何?まさかあれを見せたかったの?
「半分正解で半分不正解じゃ。まずは婆さんの料理でも食ってけ」
家に行くと祖母からも歓迎を受けた。
今日は泊まる予定で来た。酒も入り、祖父母に可愛がられる彼を見てホッとした。

夜、再び祖父に畑に呼び出された。
パンッ!パンッ!と何かの弾ける音がやたら聞こえる。何の音?
「あれじゃよ」
指さす先、夜の畑に満開の花火が咲き乱れていた。
「火種から育てた天然花火じゃ。美しいじゃろ?写真で結婚式を挙げるのならここで撮るといい」
公開:20/05/23 19:02

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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