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夏休み。「映画に行くぞ」という祖父が連れて行ってくれる映画館。
スクリーンには真っ黒な顔をしたおじさんが「ワ~っ」と大声をあげて船にぶつかっていく様子や、機関銃を持ったままちぎれた手が弾を打ち続ける様子、大勢の人と共に海に沈んで行く偉い人であろうおじさん。
小学生だった僕には、その映画が40年にも満たない少し前の日本だという事も、おじさんに見えた人が10代と50代の歳の差がある事も、その様子が現実にあった事だとも分からなかった。
その後何年も、映画館、慰霊祭と祖父について行く度に、祖父が海軍工廠のエンジニアだったこと、学徒含めた部下を失ったこと、戦後同じ職業を選ばなかった事をなどを知った。いつも帰り道に、「戦争はいかん。」「ウソはつくな。」と、やさしい顔で語る祖父のその言葉は、平和の危機を感じると、子供にはSFの物語の様に響きがカッコよかった「連合艦隊」と共に現れるのだ。
その他
公開:20/05/22 12:00
更新:20/05/22 12:03

目には見えない贈り物( 愛知のはじっこ )

高度成長期も終わったころ、まちは活気に満ちていた。
【〇〇屋の〇〇ちゃん】
そんな小さな看板をしょった人々が、
目には見えない贈り物をまちに贈っていた。
そしてみんなでそのお返しをしていた。
あの目に見えない贈り物はどこへ行ってしまったのだろう。

コミュニティを考える建築家のひとりごと。

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