意外な成果

私は昔、超がつくほど高性能なデジタルカメラを開発した。 独自の解析機能を使えば、小さな物体でもほとんど判別できる。その反響は大きく、飛ぶように売れた。
ただ、最も反響が大きかったのは意外なところにあった。心霊写真の激減である。あれはどうやら、いややはり、目の錯覚でしかないということが分かったそうだ。
当時の私にとってそのような反響はばかばかしかったが、今になって私はこの成果の偉大さを実感している。
あれはやはり、世の中に必要なものだったのだ。
事実、「良いカメラを開発してくれた」
と、ここ２、３年、数多の偉大な先輩方から称賛の言葉を頂いている。
そうそう、一つ断っておこう。私のカメラは心霊写真の否定はしたが、 霊感を持つ人や霊そのものの存在まで否定したわけではない。
むしろ、それらはいる。
私の孫には私が見えているのだ。こうして年に一度、孫のもとを訪ねるようになって、今夏で３年目になる。