救急救命士!町珠恵(まち たまえ)

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「お願い目を醒まして!」
川で溺れた男が救助され、仲間達が必死に声を掛けるが返事はない。
「救急救命士の人が来たぞ!」
美人秘書風の町珠恵は颯爽と現れて、要救護者の耳元に小さく囁いた。
「今目を覚ましたら…百万円あげるわ」
男に返事はない。
「それとは別に毎月十万円もあげる。どう?」
男の指先がぴくっと動いた。
「さらに貴方が瞬きを一回する度に、百円もあげる」
男の瞼がぴくぴくと動き出した。
「たった五回瞬きをするだけで五百円がもらえるのよ。そんな楽勝の人生を送ってみたいと思わない? それともこのまま死ぬの?」
男はガバッと起き上がった。
「お、俺は死にたくありません!」
「おお!」
周囲から拍手が湧いた。さすがプロの救命士だ。
「あの、さっきの話は本当ですか!?」
「さて何のことかしら。夢でも見ていたの?」
町珠恵はフフと笑って「特別蘇生治療費」と書かれた百万円の請求書を置いていった。
その他
公開:20/05/22 10:05

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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