生きる
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漫画を一日中読んでいた。生きている実感がない、そう思った。焦ってくる。こんなことをしている場合じゃない、と。夜中だったけれど、僕は服を着替え、いつものランニングの格好をして、家を出た。メチャクチャに走った。体は僕の思うようには動いてくれない。それでも、肺が痛くなっても、走った。自分の呼吸の音だけが聞こえて、とても寂しい気持ちがしたけれど、暗いところで立ち止まるのは嫌だった。家からどんどん離れていく。僕はいつでもやめることができた。だがもう、体はやめることを拒んでいた。足が、勝手に前に進む。僕は、考えることをやめた。
その他
公開:20/05/22 02:03
基本的に、無、です。
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