デウスエクスマキナ

　今、私は目を瞑りながらデウスエクスマキナのことを考えている。デウスエクスマキナとは古代ギリシアより伝わる「機械仕掛けの神」のことである。機械は時に人を豊かにし、時に人をどん底まで陥れる。私は後者に近い状況になっている。キリキリと嫌な音を立てながらデウスエクスマキナに私は引っ張り上げられている。ただこれは自分で選んだ選択だった。私はもう逃げない。肌で感じる風や周りの音が私を呼んでいるような気がする。恐怖とは反対に上昇は続く。カチッ。鉄の嫌な音。一瞬時が止まる。デウスエクスマキナが壊れたのだ。そして私は叫んだ「キャァァァァ」。デウスエクスマキナというジェットコースターは私を乗せてどん底まで落ちていった。