救世主
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新宿で席が空いた為、ドア横のシートに腰をおろす。
一息ついて発車を待っていると、外から声が聞こえてきた。
耳を澄ませると、それが日本語ではないことがわかる。
発車ベルが鳴る。
外に目をやると、身振り手振りで話す外国人に「わからないから」と駅員が冷たい口調で乗車を促しているところだった。
ドアが閉まるタイミングで外国人が乗ってくる。
酷い対応だな。そんな空気が車内に流れる中、声を掛ける一人のサラリーマン。
流暢とはいえない英語だったが、彼は路線図を指差し腕時計を見せながら、会話を試みる。
すると数分後、二人は笑顔で握手を交わしていた。
二日後、数日前に来日し、難しい手術を成功させた外国人の医師が『救世主』とメディアで紹介されていた。
医師は言った。
「間に合って良かったよ」と。
テレビに映る医師を見ながら、あの時のサラリーマンを思い出し、誰に言うでもなく呟く。
「あなたも彼の『救世主』だ」
一息ついて発車を待っていると、外から声が聞こえてきた。
耳を澄ませると、それが日本語ではないことがわかる。
発車ベルが鳴る。
外に目をやると、身振り手振りで話す外国人に「わからないから」と駅員が冷たい口調で乗車を促しているところだった。
ドアが閉まるタイミングで外国人が乗ってくる。
酷い対応だな。そんな空気が車内に流れる中、声を掛ける一人のサラリーマン。
流暢とはいえない英語だったが、彼は路線図を指差し腕時計を見せながら、会話を試みる。
すると数分後、二人は笑顔で握手を交わしていた。
二日後、数日前に来日し、難しい手術を成功させた外国人の医師が『救世主』とメディアで紹介されていた。
医師は言った。
「間に合って良かったよ」と。
テレビに映る医師を見ながら、あの時のサラリーマンを思い出し、誰に言うでもなく呟く。
「あなたも彼の『救世主』だ」
その他
公開:20/05/22 21:19
更新:20/05/22 23:16
更新:20/05/22 23:16
引っ越しをして、通勤時間が増えました。
なにをしようか考えた末が今です。
日々に少しのスパイスを。
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