ビック サプライズ

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昼と夜のオレンジ色の境界線を遠くに見ながら、まだまだ遊ぶつもりでいると健治が自転車で通りかかった。
「なあ、まだ帰らないのか?」
「なんで?」
「さっき、お前のかあちゃんニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ買ったからお前の家、今日はカレーだぞ」
カレーと聞いた瞬間、僕のハートはビートした。
僕は友達にさよならも言わないまま自転車に飛び乗ると、終始立ちこぎの状態で家に向かった。
「かあちゃん 今日はカレーなの?」息を切らしながら台所にいる母ちゃんに叫んだ。
母ちゃんは振り向きもせず、
「カレーじゃないよ、いいから早く手を洗っておいで」ぶっきらぼうに否定したのである。
僕は地獄に突き落とされた気分だった。
もし、切干大根とかだったら、僕は不良になる。そう思った瞬間
母ちゃんは菜箸の先にある黄金色のとんかつを見せながらこう言った。
「今日は、カツカレーだよ。」
あぁ 母ちゃん 僕、勉強頑張るよ!
その他
公開:20/05/22 20:02
更新:20/06/01 22:58

あおぞら

はじめまして あおぞらです。
読んでいただけたら、この上なく幸せです。
どうぞよろしく!!(^_-)-☆

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