糸と夏

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暑い。太陽が照りつける砂場に忘れられた俺は糸電話。の、糸。
俺の両端につけられた紙コップは子供に砂を詰められ、
このままゴミになる運命を受け入れたようだが俺は嫌だ。
砂で重くなったお陰でなんとかコップから両端が抜けた。自由だ!
その時ヒョイと拾われた。子供だ。「糸だ、後でトンボ捕まえて結ぼうぜ」
俺を熱いベンチに放ってどこかへ行った。あぁ暑い。
また持ち上げられた。違う子供だ。ブチッ。千切った!
短い俺を捨て、もう一方であやとりしながら消えた。さらば、半身。
さあ今度はあっと言う間に地面が遠くなったぞ。俺を鳥が運んでいるらしい。
鳥の巣になるのか。と思ったら嘴からこぼれてひらひら落ちる。
風に吹かれ何処かの窓に入り、ポチャと落ちた。
冷たくて気持ちがいい。それに俺に似たお仲間もいる。ここは最高だ。
その時俺は仲間と一緒に水から引上げられて
ズルズルズルッ
「うまい!暑い日は素麺に限るな!」
その他
公開:20/05/22 16:36

市杜 七( 関西 )

文章を書く練習中です
よろしくお願いします

市杜 七(いちと しち)

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