俺も助けて

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私は消防士だ。
今回、大規模な火災に遭った。
同僚と森の中に入ると、そこは別世界だった。
森全体が赤く染まっている。
木々が火に包まれ、どんどん燃えていく。
煙で目の前はぼんやりとしている。
火の粉が目の前を舞う。
動物たちの鳴く声が響く。

燃えさかる木の下で、女性が倒れていた。
私は女性を背負う。
「大丈夫ですよ、助けにきました」
同僚がホースで火を消していると
何かに気がついた。
「この木の下にも人がいる」
木の下には焼け焦げた男性の遺体が。
二人は手を合わせた。

私たちは山を降りる。
「良かった、助かったのね」
女性は家族と抱き合った。
家族の一人が同僚を見て言った。
「それで、あなたは誰を背負っているんだい?」
「は?」
「男の人があなたの背中にいるじゃないか」
「え」
私は消防車の中を見る。あったはずの男性の遺体がなかった。
同僚の背中から焼け焦げた匂いが漂ってきた。
ホラー
公開:20/05/21 07:01
更新:20/05/21 08:58

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