あの世への手紙
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インターホンの音が響いた。
「来たみたいだよ」
父親は娘に言った。
「手紙の人?」
「そうそう。天国のお母さんに手紙、書いたんだよね?持って行ってもらうおうね」
「どうも、あの世郵便です」
玄関を開けると爽やかな青年が立っていた。
「はい!」
娘が元気よく手紙を差し出した。
「松本玲奈という40代の女性に渡してください」
「ああ、松本玲奈さんのご家族ですか!」
青年は彼女を知っているようだった。
「手紙を届ける時によく会うんです。『私の手紙はきてる?』って。良かったなあ。これでやっと玲奈さんも安心ですね」
それを聞いて父親は泣きそうになった。
「では、よろしくお願いします」
「あれ?ここ、住所が間違ってますね」
そう言うと、青年はペンを取り出した。
天国の部分に二重線を引くと、その下に地獄と書き足した。
「え?」
引き止める間もなく、青年は走って出て行ってしまった。
「来たみたいだよ」
父親は娘に言った。
「手紙の人?」
「そうそう。天国のお母さんに手紙、書いたんだよね?持って行ってもらうおうね」
「どうも、あの世郵便です」
玄関を開けると爽やかな青年が立っていた。
「はい!」
娘が元気よく手紙を差し出した。
「松本玲奈という40代の女性に渡してください」
「ああ、松本玲奈さんのご家族ですか!」
青年は彼女を知っているようだった。
「手紙を届ける時によく会うんです。『私の手紙はきてる?』って。良かったなあ。これでやっと玲奈さんも安心ですね」
それを聞いて父親は泣きそうになった。
「では、よろしくお願いします」
「あれ?ここ、住所が間違ってますね」
そう言うと、青年はペンを取り出した。
天国の部分に二重線を引くと、その下に地獄と書き足した。
「え?」
引き止める間もなく、青年は走って出て行ってしまった。
公開:20/05/20 22:56
更新:20/05/20 23:46
更新:20/05/20 23:46
ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
悪口でもちょっとした感想でも、コメントいただけると嬉しいです。
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