炊飯器

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商社マンの鈴木三郎は、昨今のベーカリー機能やケーキを作るやら、余計なオプションだらけの炊飯器にやきもきしていた。
俺は、ふっくら炊き上がった米だけ食べられればいいのに!なぜアメリカはパン社会なのか!
ある日、家電屋で鈴木はある炊飯器を見つけた。それは、米しか炊けないことを全面的にアピールしている商品だった。
これはいい。
鈴木は喜んでその炊飯器を購入し、その晩から美味しく炊き上がった米に舌鼓を打った。
ほどなく、プロジェクトの変更で鈴木は日本へ急遽帰国することとなった。慌てて荷造りをしているとガールフレンドが手伝いに来てくれた。
「あらサブロウ、この炊飯器は持っていかないの?とても気に入っていたじゃない」
「ああ、家電は重いしね。残念だけど。それに、日本じゃ使えないよ。ほら、書いてあるじゃないか。『米専用』って」
その他
公開:20/05/20 21:31

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