あにの記憶

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俺をめがけて無数の手が伸びる。
足が痛い、喉が熱い、怖い、怖い、怖い。
けど走らなきゃ、こいつが、こいつが、また──
「に、ぃちゃ」
ホルマリンにまみれた身体がゆっくりと動く。
「う、た。にぃちゃんのうた、きか、せて」
「お前…」
よく、俺がバンド練習してた横で弟が丸くなって聞いてたっけ。あの頃は楽しかったな。
…地球が宇宙人に征服されるときまでは。
「あぁ、コイツらを撒いたらまた聞かせてやるから」
「俺が、おまえを守るから」
「あ、りがと、に、ちゃ」
「ま、た」
弟の"4つ"の瞼が開き、
グリグリとした奇妙な4つの目が俺を見つめた。
あぁ、なんで、
「ウたっテ?」
記憶の中の弟が、音を立てて崩れていく。
ホラー
公開:20/05/20 21:11

もちもち大豆

もちもち大豆です。よろしくお願いします。細々と書いていけたらいいな。

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