バーコード

0
2

深夜のコンビニで仕事中、私はなんとなくバーコードリーダーを自身の薄くなった頭部へと当ててみた。
ピッ!
機械音が鳴ったと思うと画面に購入した品々が出てくる。

妻の不評を買っていた。
娘から反感を買っていた。
猫から恨みを買っていた。
合計で1100円と出ていた。

安いな…と呟いてしまった。
ちなみに猫の恨みとは昨日、餌を買ってこなかった事だろう。すまん。今夜は買って帰るから…

「うっわ!安っ!あんたの人生そのものだな!」
ピッ!

私を見下す不真面目なバイトからの喧嘩を追加で買っていた。
カッとなった私はつい、バイトを殴り殺してしまった。
すぐに警察に連絡し、自首の準備を整える。
その前にせめてもと1100円を支払っておいた。

やって来た警察官はバイトの後頭部にバーコードリーダーを当てた。
ピッ!
「この男には生きる価値がなかったようです。支払いを終えている貴方に罪はありませんよ」
SF
公開:20/05/21 19:28

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容