賽の河原で麻雀をしよう！

賽の河原の片隅で四人の子どもたちは麻雀に勤しんでいた。
「わたしアプリで覚えたんだー」
「僕はね、お父さんプロの雀士だったんだ」
「ウチはねーネット環境なくてボードゲームだけ。このご時世にだよ」
「こっちは単なる親の趣味。つきあってる内に覚えちゃったの」
その内に見かねた鬼が怒号を飛ばした。
「コラお前ら！牌を積んでないで石を積まないか！……聞いてないな。近頃の子は肝が座りすぎだ」
去っていく鬼の後ろ姿を横目に子どもらは口々に言う。
「鬼さん怒ってるねー……それチー」
「麻雀ばかりしてたら菩薩様救ってくれないかも……ごめんねポンするよ」
「そしたら僕らどうなるのかな？……カンしてリーチね」
「いいドラじゃん、ならここでオープンリーチのイーピンね……うーんこれがホントの『地獄待ち』ってことになるのかな？」