真白な空、照らすは黒い心

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雨が降っている。パラパラと、音がなる。
私は外に出て、雨に体を晒した。

ーーどうして?

脳裏に浮かぶのは疑問の言葉だった。

どうして、私を見てくれないの?
ーーあなたの引きつった笑顔が思い出される。

どうして、あの子を選んだの?
ーー私の方が可愛いのに。

私のどこがいけないの?
ーー私は…私はあなたに認めてもらいたいだけなのに。

ねえ教えてよ、じゃないと私ーー

胸のあたりを握りしめる。
嫌いだ。こんな自分が嫌いで仕方ない。
心を突いて出るのは、嫉妬と怨嗟の言葉ばかりで。
それを口に出すのは憚られるから、ずっと心の中で渦巻いていて。
自分を取り繕おうと気のいい事を考える様になって。
私はずっと、逃げ続けている。

起伏のない、白一色の空を見上げる。

綺麗だった。
私の心と違って、どこまでも清らかだった。
言葉にするのもおこがましいくらい、輝いてみえた。
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公開:20/05/19 19:13

早見並並( 神奈川県 )

物語創作に興味があります。

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