僕は許せない

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幼い頃、母が病で亡くなって父の明るい性格はなりをひそめた。
繊細で大人しい性格に変わった。
勤めていた会社を辞めてからは、好きだった映画も見なくなった。
そして父の寝室で自殺した。
僕は父が憎い。
悲しむなとは言わないが生活を第一に考えてほしかった。
そのせいで僕は勉強よりもバイトのほうが割合が大きくなった。
だから、命日だけは父の寝室で過ごす。
父の勝手で苦労した姿を見せたかった。
楽な方法で僕だけ残したのが許せなかった。
深夜になっても本を片手に天井を見つめていると、大きな影が天井から僕を覗きこむ。
「早く寝なさい」
少し小さい影がドアを開けて部屋に入ってくる。
「食事まだなんでしょ?作ってきたから」
床には大好きなカツ丼が置いてある。
影として現れるなら、人間として現れてほしかった。
僕は命日になると余計に許せなくなる。
だが、許してしまう僕がいる。
ホラー
公開:20/05/19 18:38

曇かな

試しに小説を書いてみようと思いました!

短めの内容だと伝えたい言葉のすべてを入れることができないので難しいですけど、なかなかやりがいのあるものだと感じます!

良かったらコメントなどもどうぞ!

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