クオリア
3
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「ついにできたぞ! 他人と五感を共有できる装置だ!」
博士は早速、部下と自分で動作試験を行った。
お互いを装置に登録し、起動させた。
「なんだ、これは」
博士は、目の前の景色に言葉を失った。
世界の色はぐちゃぐちゃになっていた。肌は緑色だし、髪の毛は黄色で、青かったはずの空はショッキングピンクになっている。
肌の感覚も違っていた。ものに触れると痛みを感じた。お湯は冷たく感じ、氷は痺れる感じがした。肌をつねると温かく感じた。ワサビを食べると甘く感じた。
「実験は失敗だったのでしょうか?」
話を聞いた部下の研究員は、残念そうにいった。
「いや、これでいい」
博士は言う。
「君にとっての空の青は、私にとってのピンクで、熱いは、冷たいだっただけだ。実験は成功だ。見る人によって、世界は違うのだ」
博士は早速、部下と自分で動作試験を行った。
お互いを装置に登録し、起動させた。
「なんだ、これは」
博士は、目の前の景色に言葉を失った。
世界の色はぐちゃぐちゃになっていた。肌は緑色だし、髪の毛は黄色で、青かったはずの空はショッキングピンクになっている。
肌の感覚も違っていた。ものに触れると痛みを感じた。お湯は冷たく感じ、氷は痺れる感じがした。肌をつねると温かく感じた。ワサビを食べると甘く感じた。
「実験は失敗だったのでしょうか?」
話を聞いた部下の研究員は、残念そうにいった。
「いや、これでいい」
博士は言う。
「君にとっての空の青は、私にとってのピンクで、熱いは、冷たいだっただけだ。実験は成功だ。見る人によって、世界は違うのだ」
SF
公開:20/05/20 17:29
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