萎まないスフレ

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喜ぶだろうと土産にスフレ。
「このぺシャンとしたの……タルト?」
「いや、スフレって書いてあったよ」
「スフレの持ち帰りなんてありえなーい。アツアツのフワフワが醍醐味じゃない!」
「ご、ごめん」
なぜ、謝らなければならないのだろう。
文句を言いつつ紅茶を入れているし。食べるのは食べるんだ。
「ねぇ、私、萎まないスフレ知ってるの。買ってくれる?」
「あ、ああ。もちろんいいよ。一緒に買いに行こう」
「やったー!」
スイーツに欣喜雀躍、可愛いものだ。
そう思ってたのに。
僕は今、どこにいる?
「ね、ねぇキミ。スフレは?」
「あっちにあるはずよ。小振りなものだから」
都心の一等地。あきらかなブランドもの。
「これこれ」
「え、これ? バッグじゃないか」
「そうよ。スフレ色のバッグで、通称スフレバッグ」
や、黄色だし! いや、問題はそこじゃない。
値段! 値段!!
「すみませーん。これください」
その他
公開:20/05/18 23:44
更新:20/05/19 13:40

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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