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近所の公園に、双子の木がある。
元の幹は一つで、根っこに近い地際で二股に分かれてる。どっちも同じくらいの太さ、同じくらいの枝ぶり。そこだけ見ると二本あるみたいで、遠目からは大きな一本に見える。二つの枝がくっ付いて、木目が繋がった枝を『連理の枝』と言うけど、さしずめこの木は『双理の枝』。仲良く分けっこして、百年くらい一緒にいる。
連理の枝は、男女の絆の深さを指すらしい。双理は兄弟なのか、姉妹なのか判らない。とにかく何から何まで一緒が好きなのは確かだ。
伸び過ぎたひこばえを切ったら、次の日にはもう片方も短くなってる。
右と左、込み入った枝を上手く広げて、両方きちんと陽を当ててる。
たまには喧嘩もするだろうけど、きっとすぐに仲直り。お互い譲り合って生かし合って、でないと一緒でいられない。
前に台風が直撃した時も、双理は協力して乗り越えた。
分かれてるはずの枝が、ねじり鉢巻きみたいにくっ付いてた。
元の幹は一つで、根っこに近い地際で二股に分かれてる。どっちも同じくらいの太さ、同じくらいの枝ぶり。そこだけ見ると二本あるみたいで、遠目からは大きな一本に見える。二つの枝がくっ付いて、木目が繋がった枝を『連理の枝』と言うけど、さしずめこの木は『双理の枝』。仲良く分けっこして、百年くらい一緒にいる。
連理の枝は、男女の絆の深さを指すらしい。双理は兄弟なのか、姉妹なのか判らない。とにかく何から何まで一緒が好きなのは確かだ。
伸び過ぎたひこばえを切ったら、次の日にはもう片方も短くなってる。
右と左、込み入った枝を上手く広げて、両方きちんと陽を当ててる。
たまには喧嘩もするだろうけど、きっとすぐに仲直り。お互い譲り合って生かし合って、でないと一緒でいられない。
前に台風が直撃した時も、双理は協力して乗り越えた。
分かれてるはずの枝が、ねじり鉢巻きみたいにくっ付いてた。
その他
公開:20/05/18 22:55
ちなみに、この木は桜です。
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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