4+2=7

10
7

4+2=7であることの証明。

ある若き数学者が発表した論文が物議を醸していた。

「4+2を因数分解して5次関数を用いて計算し直し、フェルマーの定理とABC予想を応用して(中略)結果、4+2は6ではなく7になる」

専門家は困惑した。「変人がいる」。一般人の間でも失笑混じりに話題となった。

人間を創造した神様が空の上から見守っていた。

人間界が新たな変化を必要とする時、その変化の足かせとなる「常識」を打ち破る異端児を神様は送り込んできた。ニュートンやコロンブスがそれだ。彼らを万人が受け入れることができれば、斬新で柔軟な発想が世界に広がって新たな地平が切り開かれる。受け入れられなければ、異端児は歴史の闇に消え、戦争などの惨劇が起きた。

例のウイルスが世界を揺るがしている。「4+2=7」を唱える異端児の行く末は、果たして。

「人間たちよ、分岐点じゃぞよ」

未来は神様も知らない。
その他
公開:20/05/19 17:21

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容