人材派遣会社
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私と男が部屋の中で話をしていた。
「そこはいま空きがないんですよ」
「そうですか。他のところは……」
私はパソコンの画面を見る。
「ああ、二千四百年なら空きがありますよ。この頃はベーシックインカムの最盛期で、雇用条件もまずまずです」
「なるほど。では、そこで」
男はそういって会社と契約を交わし、明日から西暦二千四百年へ出勤となった。
入れ違いに女が入ってくる。
「その、例の件は……」
女がそういうと、私は笑顔でいった。
「ああ、それでしたら、いま欠員が出たところですよ。お望みの西暦十年への出勤となります」
そういわれ、女はほっと胸を撫でおろし、男と同様に契約を交わした。
タイムマシンが開発されたことによって、人の移動は時空を超えるようになった。
だが、いつになっても労働力の確保は誰もが頭を悩ませるところだ。
そのために、この人材派遣会社がある。
一番の売り手市場は、二十一世紀だそうだ。
「そこはいま空きがないんですよ」
「そうですか。他のところは……」
私はパソコンの画面を見る。
「ああ、二千四百年なら空きがありますよ。この頃はベーシックインカムの最盛期で、雇用条件もまずまずです」
「なるほど。では、そこで」
男はそういって会社と契約を交わし、明日から西暦二千四百年へ出勤となった。
入れ違いに女が入ってくる。
「その、例の件は……」
女がそういうと、私は笑顔でいった。
「ああ、それでしたら、いま欠員が出たところですよ。お望みの西暦十年への出勤となります」
そういわれ、女はほっと胸を撫でおろし、男と同様に契約を交わした。
タイムマシンが開発されたことによって、人の移動は時空を超えるようになった。
だが、いつになっても労働力の確保は誰もが頭を悩ませるところだ。
そのために、この人材派遣会社がある。
一番の売り手市場は、二十一世紀だそうだ。
SF
公開:20/05/19 15:34
歓びは朝とともにやってくる。
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