誰かがついて来る

用事で出かけたが、帰りが遅くなり街灯が所々に灯いている。
そんな時、自分について来る足音に気が付いた。多分数ｍ後を同じ歩調でついて来る。
気になったが振り返るのは何故かためらった。
足音は女性ではなく、明らかに男性だ、咄嗟に足を止めてみた。すると後の足音も同時に止まった。何度も角を曲がったが、間違いなく気配はついて来る。小走りしてみれば、同じ様に走ってくる。
これは怪しい奴か、それとも浮遊霊か？　俺には守護霊が付いているから、一緒に戦ってくれるだろう。
遂に我慢ならず思い切って振り返って見たが、誰もいないし見えもしない。
不思議だ！　もうすぐ家だ、走って帰ろうと全速力で玄関に辿り着いた。

ホットして靴を脱ぎ下駄箱にしまおうと、見てみるとなんと両足共に踵が半分ちぎれ、引きずり状態になってた。
クソー原因はこれだ、セメンダインでくっ付け様とも思ったが、この恐怖を与えた靴には流浪の刑を与えた。