追い方と生い立ち
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「追いすぎ、追いすぎ。」
助手席でコーヒーを飲みながら春人は言った。
「なんで?とか、いつから?とか、何のために?とか。いいじゃん。感覚だよ感覚。」
紗季は真っ直ぐ前を見て運転しながら、オーディオのボリュームを少し下げて言った。
「考えてみれば、お父さんがそうかも。」
「へぇ。てか、今日は怒らないんだね。指摘みたいなことしても」
「確かにそうだなって思ったから。」
紗季の頭の中に、つい最近重い病が発覚した父親のことが浮かぶのに時間はかからなかった。
「毛嫌いされるもんなのかもね。お母さんはよく、お父さんクドいよって言ってた。」
「クドいとは思わないけど、疲れないのかなって」
そう言う春人の目線がふと窓の方に向き、その先には、白いワンピースにキャップを被った華奢な女性が歩いていた。
紗季はすかさず言う。
「追いすぎ。楽しそうだね」
助手席でコーヒーを飲みながら春人は言った。
「なんで?とか、いつから?とか、何のために?とか。いいじゃん。感覚だよ感覚。」
紗季は真っ直ぐ前を見て運転しながら、オーディオのボリュームを少し下げて言った。
「考えてみれば、お父さんがそうかも。」
「へぇ。てか、今日は怒らないんだね。指摘みたいなことしても」
「確かにそうだなって思ったから。」
紗季の頭の中に、つい最近重い病が発覚した父親のことが浮かぶのに時間はかからなかった。
「毛嫌いされるもんなのかもね。お母さんはよく、お父さんクドいよって言ってた。」
「クドいとは思わないけど、疲れないのかなって」
そう言う春人の目線がふと窓の方に向き、その先には、白いワンピースにキャップを被った華奢な女性が歩いていた。
紗季はすかさず言う。
「追いすぎ。楽しそうだね」
青春
公開:20/05/19 11:10
3児の母です。得意料理はおにぎりです。
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