ラーメン屋台『みちびき』
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夜の草原にポツンと開かれたラーメン屋台。百年以上続く老舗で、客の評判もいい。にも関わらず、リピーターが一人もいないのが店主の悩みだった。
ある日、汗だくの客が入店した。
「助かりました。遅刻ギリギリで職場へ全力疾走していたんですが、道に迷って途方にくれていたんですよ」
「道案内しましょうか?」
「ついでに一杯お願いします。どうせ間に合わないんで」
注文を受けると、店主は手早く料理に取り掛かった。
「どうぞ」
「すごい、何でネギ大盛好きだってわかったんですか?」
まるで掃除機のように麺を食らう客に店主は言った。
「何百万という人を相手にしてきたからわかるんですよ」
客は冗談と捉えたのか大笑いしながら完食。
「絶対にまた来ます!」
「その道を真っ直ぐ行けば行くべき場所へたどり着けますよ」
タイヤの跡がくっきりと刻まれた客の後頭部が、闇に消えた。
「客さん、皆天国行っちまうからな」
ある日、汗だくの客が入店した。
「助かりました。遅刻ギリギリで職場へ全力疾走していたんですが、道に迷って途方にくれていたんですよ」
「道案内しましょうか?」
「ついでに一杯お願いします。どうせ間に合わないんで」
注文を受けると、店主は手早く料理に取り掛かった。
「どうぞ」
「すごい、何でネギ大盛好きだってわかったんですか?」
まるで掃除機のように麺を食らう客に店主は言った。
「何百万という人を相手にしてきたからわかるんですよ」
客は冗談と捉えたのか大笑いしながら完食。
「絶対にまた来ます!」
「その道を真っ直ぐ行けば行くべき場所へたどり着けますよ」
タイヤの跡がくっきりと刻まれた客の後頭部が、闇に消えた。
「客さん、皆天国行っちまうからな」
ファンタジー
公開:20/05/18 17:16
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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