おやつS S最終回・ドーナツ2
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天使が私の所へやって来た。
「お迎えに参りました」
九十年生きたんだし頃合いだろう。
天使は言った。
「あの世へ行く準備をしてください。時間は十分ありますから、急がなくてもいいですよ」
「準備なら済んでます」
これは本当だ。入院する時に身の回りの整理もし、米寿の年に生前葬もやっている。
「本当に? 忘れ物はないですか?」
「ええ。大丈夫です」
天使は少し困ったような顔をした。
「少し、話でもしますか」
どうやら時間が余ったようだ。
せっかくだから、ずっと知りたかった事を聞いてみる事にした。
「天使の輪ってどうなっているんです?」
「これですか?」
天使は輪を指差した。
「童話ではドーナツだったわ」
「ドーナツじゃないですよ。これは、その、こうやって使うんです」
天使は、私の足元に輪を置いた。
途端、私の魂は体から抜けた。
「天使の輪は、人生の終わりに打つ句点なんですよ」
「お迎えに参りました」
九十年生きたんだし頃合いだろう。
天使は言った。
「あの世へ行く準備をしてください。時間は十分ありますから、急がなくてもいいですよ」
「準備なら済んでます」
これは本当だ。入院する時に身の回りの整理もし、米寿の年に生前葬もやっている。
「本当に? 忘れ物はないですか?」
「ええ。大丈夫です」
天使は少し困ったような顔をした。
「少し、話でもしますか」
どうやら時間が余ったようだ。
せっかくだから、ずっと知りたかった事を聞いてみる事にした。
「天使の輪ってどうなっているんです?」
「これですか?」
天使は輪を指差した。
「童話ではドーナツだったわ」
「ドーナツじゃないですよ。これは、その、こうやって使うんです」
天使は、私の足元に輪を置いた。
途端、私の魂は体から抜けた。
「天使の輪は、人生の終わりに打つ句点なんですよ」
その他
公開:20/05/18 13:08
更新:23/01/27 18:17
更新:23/01/27 18:17
朗読依頼等は、お手数ですがこちらまでご連絡ください。
Twitter @hori_mashio
tamanegitarou1539@gmail.com
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