宝が眠る島

大昔は「宝が眠る島」と言われていた。
そのためいろんな人間が訪れた。
宝を探す者。
「宝が眠る島」を売りに観光業する者。
残っていた先住民は老人2人。
聞くと、「確かに、宝は眠っているわい」と答えたという。
「なら本当だ」と、さらにいろんな人間が訪れた。


だが一向に宝は見つからない。


数年経ち、先住民が尽きた。
死因は殺人による。
島で探していない場所が老人の家しかなく、同居していた2人は同時に殺された。


だが一向に宝は見つからない。


「この島にはこのような話が伝えられています。皆さんは体だけでなく、心も鍛えて下さい。来た時よりも美しく！」
「館長さん、ありがとうございました。それでは皆さん、4泊5日の合宿がんばろー！」
「おー！」


大昔に荒廃した島は、今では公立の合宿所になっていた。
来た時よりも美しくしてから帰る学生たちのお陰で「宝が眠る島」とはもう呼ばれていない。