西洋館の幽霊(14)

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 哲志君と拓海君は親友の優介君と弟の良行君を救う為、友情と身体能力を最大限に発揮した。
 有刺鉄線の張り巡らされた高い塀に梯子を掛けて登り、ブルーシートを厚目に折り畳んで有刺鉄線に被せ、その上を乗り越えた。ドアや窓は全て閉ざされていたが、梯子を使ってテラスに登った。そこで白いシーツを被り、懐中電灯で僅かに照らして幽霊を演出したのだ。
 優介君達が去った後に、良行君が郵便受けに入れた手紙を取り出し、塾でこっそり優介君に渡していた。そして優介君からは前回の手紙の返事を受け取り、あの郵便受けに届けるのだった。
 何度も夜間に出かけるのは難しく、塾の1ヶ月無料体験に申し込んで通い、始業前に実行してきた。
 良行君は封をしてないことがあり、自分達の演出がうまくいっているのか心配になった2人は一度だけ手紙を読んだ。
 優介君が天国のお母さんになり切って返事を書いていることが判り、2人は酷く胸を痛めた。
ミステリー・推理
公開:20/05/17 10:00
更新:20/05/16 15:44
立中森一(たてなかしんいち) 推理物シリーズ

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
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