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うちの街外れにある図書館は、ちょっと風変わりだ。
本といえば、普通読むものだと思う。
けれど、その図書館は本は食べるものなのだ。
たとえば。
ミステリは色鮮やかなテリーヌ。
歴史小説は割烹料理。
何冊もあるシリーズの長編小説は、フルコース料理。
図書館に訪れた人々は、目を輝かせてそれらを胃袋に収めていく。
食べた本は、胃袋の中で分解され、文字となり、吸収されて文章となって脳内に行き渡る。
しかし困ったことがある。
本がおもしろすぎると、つい食べすぎてしまうのだ。
だから、みんなお腹ぱんぱんになって図書館から出てくる。
でも例外がある。
「デザートに、ショートケーキは如何ですか?」
出てきたのはショートショートだ。
こればっかりは別腹だから、しょうがないや。
本といえば、普通読むものだと思う。
けれど、その図書館は本は食べるものなのだ。
たとえば。
ミステリは色鮮やかなテリーヌ。
歴史小説は割烹料理。
何冊もあるシリーズの長編小説は、フルコース料理。
図書館に訪れた人々は、目を輝かせてそれらを胃袋に収めていく。
食べた本は、胃袋の中で分解され、文字となり、吸収されて文章となって脳内に行き渡る。
しかし困ったことがある。
本がおもしろすぎると、つい食べすぎてしまうのだ。
だから、みんなお腹ぱんぱんになって図書館から出てくる。
でも例外がある。
「デザートに、ショートケーキは如何ですか?」
出てきたのはショートショートだ。
こればっかりは別腹だから、しょうがないや。
公開:20/05/16 12:27
スクー
みんなで脳内旅行
簓井 陸(ささらい りく)
気まぐれに文字を書いています。
ファンタジックな文章が好き。
400字の世界を旅したい、そういう人間の形をしたなにかです。
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