不純物の混ざった愛

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クッキーに愛を混ぜると恋が成就すると友達から聞いた。
私はすぐさま行動に移す。
バターと砂糖に卵黄、それと少しの愛を混ぜた。
大胆にも教室に乗り込みクッキーを手渡す。
照れたように「ありがとう」と口にする彼女を離れた場所で見る。
大勢の友達に囲まれながら彼女は紙袋に包まれたクッキーを取り出す。
ジャムやナッツにココアと定番のものから様々なものを取り揃えてある。
準備は万端だ。
みんなで食べようと彼女が提案すると周りの友達はクッキーを一斉に口にした。
愛の混ざったクッキーに大勢の友達と彼女は大喜びで転げ回る。
私は自分の顔を鏡で見る。
血色の悪い唇に指で触れ、自然と口角が上がるのがわかる。
教室内は騒然としていた。
苦痛に悶る彼女と大勢の友達が机をなぎ倒し、泡を吹き、喉をかきむしる。
私は自分の傷だらけの机に戻るとその様子を頬杖をつきながら眺めていた。
サイレンの音が遠くで聞こえる。
ホラー
公開:20/05/16 18:44

曇かな

試しに小説を書いてみようと思いました!

短めの内容だと伝えたい言葉のすべてを入れることができないので難しいですけど、なかなかやりがいのあるものだと感じます!

良かったらコメントなどもどうぞ!

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